賃貸と持家、どちらがお得?
<ファイナンシャルプランナーへのご相談コーナー>
Q1 賃貸と持家、どちらがお得ですか
賃貸と持家の損得について、いろいろな比較方法がありますが、「今、賃貸に住んでいるけど、マンションや一戸建を買った方が得?」というシンプルな視点で比較してみましょう。住宅を購入すべきか、賃貸に住み続けるか悩んでいる場合、ご参考にしてください。
<家賃10万円の賃貸物件は約3444万円の持家と同じ経済価値>
下の表は35才の人が80才まで暮らしたとき、住まいの費用(ハウジングコスト)が「賃貸」と「持家」で同じ金額になる場合を計算したものです。
例えば現在35才、家賃10万円の人が賃貸に住み続けると、80才までに5400万円のハウジングコストが発生します(更新料を含めた平均家賃10万円×12ヶ月×居住年数45年=5400万円)。※1
一方、現在35才の人が3444万円の不動産物件(この例では一戸建)を全額ローンで購入した場合、80才までのハウジングコストはちょうど5400万円になります(前提条件:自己資金0円、ローン金利3%、固定資産税・維持管理費等は当初物件価格に対し年1.0%、最終残価40%で計算)。
つまり35才で家賃10万円の人が3444万円以下の新居を住宅ローンで購入すると、賃貸生活よりトータルのハウジングコストはお得になることになります。80才を超えて長生きできればもっとお得になります。
ご近所の不動産広告を見てください。同じハウジングコストで比較した場合、賃貸物件より持家のほうが床面積は広くて設備が良かったりしませんか?マイホームである不動産を所有すると、将来の価格変動リスクや地震リスクなど様々な不確実性を負うことになります。賃貸の場合、大家さんがそのリスクを負担しています。つまり、持家の方がリスクを負う分、賃貸に比べて少し広い間取りだったり設備が良かったりすると考えることもできます。
尚、全額住宅ローンでなく自己資金がある場合、持家のほうがさらにお得になります。
※1 この試算では更新料を毎月の家賃に含めて計算していますので、例えば2年毎に1ヶ月分の更新料が発生する場合、前提の家賃(管理費を含む)は9.6万円になります(10万円×24ヶ月÷(24ヶ月+更新料相当1ヶ月=9.6万円)。