50歳から始める自分年金・老後資金の準備方法
<ファイナンシャルプランナーへのご相談コーナー>
Q3 50才から始める「自分年金」
今の50才前後の世代は長引いた不況「失われた20年」で老後資金を十分に積み立てることが出来ず、老後生活に漠然とした不安を抱えている方が多くいらっしゃいます。また、晩婚化により60才時点でも子供の教育費負担を強いられる親世代が増えています。
このような中、公的年金や厚生年金の支給開始年齢は65才に引き上げられ、老後の厳しさは増すばかりといえます。一方、法改正による継続雇用制度の義務化により、65才までの雇用は段階的に確保される見通しです。このように制度が大きく変わる中、50才以降は引退年齢も近いため、保有資産の状況やリスク許容度に合わせたトータルな自分年金の設計が重要になってきます。
厚生労働省の調査によれば、勤続35年以上の定年退職者における平均退職金は大卒で2156万円、高卒で1965万円となっています。尚、退職金のない会社は全体の25%を占めています。本稿では、退職金の有無とは別に65才時点で自分年金の原資として2000万円を確保する方法を考えたいと思います。
言うまでもなく、50歳から65才までに2000万円を貯蓄することは容易ではありません。50代の家計は教育費や住宅ローンが重く圧し掛かり、毎月の収支が赤字の世帯も珍しくありません。そこで、年2回のボーナス月の積み立てだけで2000万円の貯蓄を目指すことを前提に試算してみましょう。
結論としては、ボーナス毎(半年毎)に38万7500円ずつ運用に廻し、年平均利回り7%(※)で運用できると、65才時点で2000万円の自分年金の原資を確保することができます。運用におけるリスク許容度を引き下げるのであれば、半年毎に49万3000円ずつ運用に廻し、年平均利回り4%(※)で運用できると、同様に2000万円の自分年金の原資を確保することができます。
下記Q5「資産運用で1億円を貯める方法」にあるように、リスク許容度に応じたポートフォリオの構築と運用により、相応に自分年金を構築することが出来ます。
ただし漫然とリターンの高そうな株式や外債などを保有していても、マーケットの上昇局面では資産を増やすことが出来ますが、数年毎に繰り返すマーケットの大幅下落局面では資産が大きく毀損してしまいます。
日々の値動きを追うスタイルの資産運用では膨大な時間と労力が必要になり、仕事をやめてデイトレーダーでも目指さない限り難しいかも知れません(デイトレーダーになってもマーケットに勝てる訳ではありません)。むしろ数ヶ月〜数年毎に繰り返すマーケットの大幅上昇・下落局面を掴むことで、リーマンショックのような激しい局面でも高いリターンを得られるような運用を行うことができます。
※平均利回りは税引後利回りもしくは確定拠出年金で運用する場合は非課税枠内の利回りとなります。
※資産運用は不確実性を伴い、元本を毀損する場合があります。資産運用の最終的な判断は金融商品取引業者(銀行・証券会社等)からの情報提供及びリスク説明を十分理解の上、お客様自身の責任で行ってください。尚、当社は特定の金融商品の勧誘・販売等を一切行っておりません。
また、本稿はいかなる投資の推奨や勧誘を企図していません。投資の判断はご自身の責任で行ってください。