住宅ローン借換のメリット、デメリットの分岐点
<ファイナンシャルプランナーへのご相談コーナー>
Q16 住宅ローン借り換えのメリット、デメリットの分岐点
住宅ローンは金額が大きく借入期間も長いため、少しの金利差でも将来の総返済額が大きく変わります。一方で、ローンを借り換えるためには登記費用や手数料など意外と大きな費用がかかり、借り換えのメリットが分かりにくいのも事実です。ここでは借り換えの金利差によるメリットと諸費用のデメリットを天秤にかけて、上手に借り換えるための損得勘定についてご紹介します。
<金利差メリット>
わずかな金利差でも、ローン利息の総額は大きく変わります。例えば、ローン残高3000万円(年率4.0%・固定金利、残りの返済期間25年)を借りている人が年率3.0%の固定金利に借り替えた場合、利息負担は総額で483万円も減少します。
住宅ローンは借入当初の数年間だけ優遇金利を適用するといった商品も多く、優遇期間が終了した後の比較ではさらにメリットが得られるケースがあります。
住宅ローンの支払利息の総額(借入元本3000万円,元利均等払の概算)
ローン金利 |
残りの借入期間 |
15年 |
20年 |
25年 |
30年 |
35年 |
0.5% |
114万円 |
153万円 |
192万円 |
231万円 |
270万円 |
1.0% |
231万円 |
311万円 |
391万円 |
473万円 |
556万円 |
1.5% |
352万円 |
474万円 |
599万円 |
727万円 |
857万円 |
2.0% |
474万円 |
642万円 |
814万円 |
991万円 |
1173万円 |
2.5% |
600万円 |
815万円 |
1037万円 |
1267万円 |
1504万円 |
3.0% |
729万円 |
993万円 |
1267万円 |
1553万円 |
1849万円 |
3.5% |
860万円 |
1175万円 |
1505万円 |
1849万円 |
2207万円 |
4.0% |
994万円 |
1363万円 |
1750万円 |
2156万円 |
2578万円 |
(C)ファイナンシャルプラン設計事務所(禁転載)
<借り換え費用>
借り換え時に発生する主な費用は@抵当権の登記費用、A借り換え先金融機関の保証料・事務手数料、Bローン契約書の印紙代、C借り換え前が固定金利の場合は固定金利の期前弁済にかかる手数料(ケースバイケース)です。
ざっくりとした借り換え費用の概算(@+A+Bの合計)として、ローン残高の1.0%(一部のネット銀行)〜2.6%(一部の大手銀行・保証料一括前払)がひとつの目安です(※)。
さて金利差によるメリットと借り換えのコストの差はいくらありましたか?ローン商品は複雑で分かり難いため、気づかぬうちに思わぬコストが生じていることも珍しくありません。当社「住宅ローン借り換えコンサルティング」では、具体的な借り換えの比較やローンの戦略的な返済方法などをご紹介しております。
(※)借り換え費用の目安の前提
ローン残高3000万円、残りの借入期間25年を想定し、各項目を概算。
@ 登記費用として借入金額×0.7%(抵当権設定の登録免許税:設定額×0.4%+同抹消1筆当り1000円+司法書士報酬6〜10万円程度)を想定
A 保証料・融資事務手数料は借入条件等で様々なケースがあり、大手銀行系の前提(一括前払保証料、借入期間15年〜30年)として借入金額×1.2%〜1.9%程度、ネット銀行系の前提として保証料ゼロ・事務手数料4〜5万円程度(率換算で0.2%前後)を想定
B 印紙代は2万円(借入金額1000万円超〜5000万円以下の場合の印紙税額)
以上をまとめ、借入金額×1.0〜2.6%をひとつの目安として算定
※具体的な借り換え費用の見積りには個別の条件に基づく具体的な見積もりが必要になります。借り換えの検討に当たっては、借り換え先の金融機関に費用の見積もりを依頼してください。
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