住宅ローンはいくらまで借りられる?借りてはいけない?
<ファイナンシャルプランナーへのご相談コーナー>
Q13 いくらまで借りられる?借りてはいけない?
ローンの借入金額の目安として「年収の5倍」がひとつの参考値とされています。一部の不動産情報誌では「年収の8倍」なんていう数字が紹介されていますが、人生において様々な出費が必要となり、年収の8倍は少々住まいにお金を掛けすぎといえます。
<銀行の上限で借りてはいけない>
結論からお話しすると、住居にかけられる金額はそれほど多くありません。
銀行の融資審査では先ほどの「年収倍率」ではなく「返済比率」が一般的に重視されます。返済比率とは「年間ローン返済額÷年収」という計算式で求められる比率のことで、30%〜35%が上限の目安とされます。ここでいう「年収」とは額面収入のことで、税金や社会保険料が差し引かれる前の収入です。
所得水準にもより異なりますが、手取り収入は額面収入から税金と社会保険料が差し引かれた後の80〜75%程度が一般的な水準です。この80〜75%の手取り年収からローン返済で年収の30%が差し引かれると、残りは50〜45%になります。つまり額面収入の半分で生活費や教育費、老後の蓄えを確保しなければなりません。中長期的に消費税が増税されれていく中、この50〜45%の自由になるお金はさらに少なくなってしまいます。
あなたの年齢と家族構成で将来の資金ニーズは大きく異なります。一般的に不動産業者の作成する資金計画は物件を買ってもらうための計画であり、返済できる(ギリギリの)計画でしかありません。
また、銀行ローンの借入限度額は「返済できる限界」であり、「ゆとりある豊かな人生を送るためのもの」ではありません。まずは自らの価値観や人生設計をしっかり反映した資金計画を立てることが肝要といえます。
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