家計相談「夫44歳、住替えしても大丈夫?資金計画・老後資金が心配」
<ファイナンシャルプランナーによる家計相談>
ファイナンシャルプランナーへのご相談の内容
現在の持ち家が手狭になり、住み替えを考えています。家族構成は夫44歳(電機メーカー会社員・額面年収830万円)、妻(専業主婦)、長男11歳(公立小5年、私立中学受験を準備中)、長女8歳(公立小2年、中学受験を予定)の4人家族です。
10年前に新築物件を4500万円で購入し、延床面積30坪、ローンの残高は現在2400万円あります。自宅売却の査定価格は2500万円で、売却資金で残っているローンを完済予定です。住替え先は同じ学区内にある築8年の中古物件で、延床面積40坪、価格は4200万円です。現在の預貯金は約600万円ありますが、頭金と仲介手数料・引越し費用等に400万円を充当し、不足する4000万円はローンを予定しています。
不動産仲介業者さんから住宅ローンは問題ないからと住み替えを強く勧められています。老後の資金計画を踏まえても大丈夫でしょうか?

FPのご回答
家計のキャッシュフローをシミュレーションすると、住替え後の2年目から資金繰りが厳しくなり、第2子の長女さんが私立中学校に入学する5年後には、年間の家計赤字額が100万円を超える年も出てきます。さらにその後も長男さん・長女さんの教育費がかさむことから、8年目には住宅ローン以外の教育ローンや消費者ローン等に依存した家計になる可能性があります。
このご相談例では、ご主人のお仕事の平均給与カーブ(業種・企業規模別)から将来の緩やかな所得増加を前提としていますが、経済環境の悪化などで所得が伸び悩んだ場合、もう一段の家計悪化リスクが生じます。
一方で、奥さまが長女さんの中学校入学に合わせて5年後から10年間アルバイト等で働きに出て、年間100万円程度の収入を得られれば、家計の収支状況は大幅に改善し、グラフにあるように将来の老後資金の心配も軽減します。
住替え後の家計支出額の見通し 〜教育費負担がズシリ〜
住替え後の家計キャッシュフロー<現在の前提>
住替え後の家計キャッシュフロー<10年間働きに出た場合>