家計相談「最近なぜかお金が貯まらない原因と家計の見直し法」
<ファイナンシャルプランナーによる家計相談>
ファイナンシャルプランナーへのご相談の内容

夫は地方公務員、私は専業主婦、子ども2人の一般的な世帯です。マイホームを購入するために毎月積み立てをしていますが、以前は計画通りに貯蓄が出来ていましたが、最近はお金が貯まらなくて困っています。
自分でも神経質と思うほどキチッと予算を立てて管理していますが、家計の何処に落とし穴があるのでしょ
うか?
ファイナンシャルプランナーのご回答
真面目に家計簿をつけていても、つけていなくても、2011年以降「なぜかお金が貯まらない症候群」の方が増えています。その大きな理由がステルス増税&保険料の引き上げラッシュです。消費税の引き上げはレシートを見れば一目瞭然で、負担増を痛感させられますが、消費税以外にも所得税・住民税・厚生年金保険料などが直接目に見えにくい形で相次いで引き上げられています。毎月の給与明細をみても分かりにくく、真綿で絞められるように少しずつ家計からお金が吸い取られています。

財務省と厚労省は税収確保と年金財源確保のため、先手先手で家計の負担増加を伴う制度改正を行ってきています。下表にあるように「地球温暖化対策のための税」など、もっともらしい名目で国民負担を増やして
います。原発事故による電気代の値上げは下のリストにありませんが、「お金が貯まらない症候群」の症状を悪化させる一因になっています。
<家計を襲う「増税&保険料引き上げリスト」>
住民税の年少扶養控除廃止 |
2011年1月 |
厚生年金保険料増加 |
2012年以降段階引き上げ |
所得税・住民税の給与所得控除縮減 |
2012年4月 |
子ども手当て縮減・所得制限 |
2012年6月 |
年少扶養控除の廃止 |
2012年6月 |
地球温暖化対策のための税 |
2012年10月 |
給与所得控除の所得税上限改正 |
2013年1月 |
復興特別所得税の導入 |
2013年1月 |
消費増税による負担増加 |
2014年4月 |
住民税均等割増税 |
2014年6月 |
給与所得控除の住民税上限改正 |
2014年6月 |

2011年から2016年までの5年間で、年収500万円の世帯は年間33万円、年収800万円の世帯で年間43万円、年収1000万円の世帯で年間62万円もの負担増になります。それでは従来のやり方ではお金が貯まらなくなるわけです(夫婦子どもの4人家族:夫は40歳以上、妻は専業主婦、子ども2人は小学生の前提)。この試算には原発事故後の電気代の大幅な値上げは含まれていません。再生可能エネルギー負担金(太陽電池などの電力買取分を各世帯で負担する制度)の増加などを含めると、もっと負担が大きくなる可能性もあります。
ご相談者さまは漫然と家計を管理していると住宅資金のみならず老後資金までも心配と考えられました。弊社ファイナンシャルプランナーより、増税ラッシュに耐えうる家計の見直しをアドバイスさせていただきました。
片働き世帯の手取収入の減少額(万円) |
世帯年収(額面年収) |
300 |
500 |
800 |
1,000 |
1,500 |
2011年の実質可処分所得 |
282 |
434 |
642 |
768 |
1,082 |
2016年の実質可処分所得 |
256 |
401 |
598 |
706 |
1,006 |
増減(万円) |
-26 |
-34 |
-44 |
-62 |
-76 |
共働き世帯の手取収入の減少額(万円) |
世帯年収(額面年収) |
800 |
1,000 |
1,500 |
2,000 |
2011年の実質可処分所得 |
668 |
817 |
1,158 |
1,481 |
2016年の実質可処分所得 |
623 |
764 |
1,087 |
1,383 |
増減(万円) |
-45 |
-53 |
-71 |
-98 |
年収500万円世帯の手取年収が減少する要因

以上のように、衝撃的な増税・社会保険料ラッシュをご理解いただけたと思いますが、高齢化社会がますます進むことを考えると、将来にわたって「家計のゆとり」を捻出する上で、本気で家計の見直しを始めるよいタイミングです。
家計の見直しの大まかなポイントとして、@家計簿の付け方の見直し、A固定費の見直し、B資産運用を考えてみる、の3点から家計の見直しを始めてみてはいかがでしょうか。
@まずは家計簿を付けよう!家計簿の付け方を見直そう!
細かく支出項目を記帳する従来型の家計簿も良いのですが、
「貯蓄」を目的とした「トップダウン式」の家計簿をお勧めします。ずぼらな性格でも出来るお金のたまる「かんたん家計簿」の付け方について、当社HPでご紹介しています。家計簿を付けている世帯と付けていない世帯で平均貯蓄額がおよそ190万円違ったという調査結果もあります。
A固定費の見直しをしよう
1円でも安い食料品を買い求めることも結構ですが、もっと効果的な家計のリストラ策をお勧めします。具体的には
当社HPでご紹介しているスマホ代などの通信費のリストラをはじめ、生命保険や小遣い、自動車維持費などの固定費を見直しましょう。毎月家計からまとまったお金を抑えるだけで、大きな成果があります。
B資産運用を考えてみよう
普通預金や定期預金に漫然と預けていても、ほとんど利息が付きません。
当社HPでご紹介している自分年金の始め方にあるように、資産運用について小額から始めてみてはいかがでしょう。まずはしっかりとした資産運用の知識を信頼のおけるファイナンシャルプランナーに聞いてみてはいかがでしょうか(宣伝になりますが、当社FPには資産運用のプロが在籍しています!)。
当社ファイナンシャルプランナーによる
家計の見直しコンサルティングサービスもご検討ください。